腰部疾患シリーズ③ 梨状筋症候群編
2024年05月10日
こんにちは!
篠崎北口はりきゅう整骨院です!
腰部の疾患シリーズも第3弾となりました。
第1・2弾をまだ読まれていない方はこちらから先にお読みください!
今回は、【梨状筋症候群】についてお伝えしていきます。
梨状筋症候群
足へ向かう坐骨神経は、骨盤から出るところでお尻の深い所にある梨状筋という筋肉の下を通ります。通常は柔軟性が高いのですが、負担などがかかり梨状筋が硬くなると、お尻に痛みを起こしたり、近くを走行する坐骨神経痛をつぶして足のシビレを起こします。
このような症状を梨状筋症候群といいます。
※下図の黄色が坐骨神経です※
前回、前々回の腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症に比べるとまれな疾患ですが、
重要な疾患の一つです。
写真は正常な坐骨神経と梨状筋の走行です。
腰からの神経がまとまって骨盤から臀部に出てくるところで坐骨神経となり、梨状筋の下を走行しています。丸をした部分で神経が絞扼され、坐骨神経痛・梨状筋部の痛みや圧痛などの症状が出ます。
坐骨神経が絞扼される原因は梨状筋だけでなく、このような原因も挙げられます。
・運動などによる股関節の使い過ぎ
・血管異常(周囲の血管が坐骨神経を圧迫する)
・その他外傷など
梨状筋症候群は、狭い意味では梨状筋自体が原因となる圧迫性の坐骨神経障害を示しますが、病院では圧迫性坐骨神経障害の総称として、梨状筋症候群が用いられています。
→坐骨神経がさまざまな病態の総称であるのと同じです。
通常、梨状筋の下を通過している坐骨神経が枝分かれをし、梨状筋を貫通しています。
大腿が外旋【足を身体の外側に向かって回転させる】されて梨状筋の緊張がないと筋肉間が緩むため、神経の締め付けはなくなります。
ですが、内旋【足を身体の内側に向かって回転させる】して梨状筋.が伸長すると、筋肉間で神経が締め付けられ、シビレや痛みが生じます。
症状
梨状筋症候群では、臀部・大腿、下腿後部・足部などにシビレや痛みが出現します。
その他にも以下の要因により筋力低下などの症状が現れる事があります。
梨状筋の異常による症状
梨状筋からの関連痛がお尻周りから大腿後面などに現れ、梨状筋に関連する筋肉(外旋筋や内旋筋など)からの関連痛も大腿外側から下腿外側や腰部、鼠径部などに現れることもあります。
仙腸関節の異常による症状
梨状筋の緊張は、仙骨を引っ張り仙腸関節のズレを引き起こします。仙腸関節の異常は、臀部から大腿の外側や後部、鼠径部、ふくらはぎ、足背などに痛みやシビレを生じます。
梨状筋は仙腸関節の安定に貢献しています。
その為、仙腸関節に異常が起こると梨状筋も異常な緊張を起こします。
検査方法
梨状筋症候群では、梨状筋部の触診により圧迫すると痛みが放散する硬結(筋肉が硬くなっている状態)が確認されます。
また、他動的に梨状筋を伸長したり、抵抗を加えて梨状筋を収縮させたときに痛みやシビレが誘発されます。
◆ペイテスト◆
椅子に座り、股関節を90度屈曲させた状態で両膝を外に開かせ、その力に抵抗を加える。
痛み・シビレが強くなったり筋力低下があれば陽性。
◆フライバーグテスト◆
仰向けで股関節と膝関節を屈曲させ、膝の外側と足首の内側に力を加え、股関節を内旋・内転させる。痛み・シビレがあれば陽性。
◆ボンネットテスト◆
仰向けで股関節を60度~90度屈曲させて膝を外側から内側に他動的に押して、股関節を内転させる。痛みやシビレがあれば陽性。
治療
基本的には保存療法で処置します。
座位の際にお尻周りを圧迫しないよう心がけるなど、症状が誘発されるような日常生活動作を避けるようにします。
症状が強い場合には梨状筋ブロックが効果的ですが数時間足に力が入りにくくなることがあります。
篠崎北口はりきゅう整骨院では、整体で梨状筋、その関係している筋肉を緩めたり、鍼施術でより深部まで刺激を届かせることができます。
早めの対処が大切になりますので、少しでも違和感を感じたらご相談ください!